見学のときに、「負けた気がするんです」と言われることはほとんどありません。
当然です。
そんな言葉はなかなか口には出ません。
ただ、話を聞いていると、それに近いものを感じることがあります。
以前は普通に働いていた方がいます。
責任のある仕事をしていた方もいます。
家族を支えていた方もいます。
資格を持っている方もいます。
地域の中で役割を持っていた方もいます。
そういう方ほど、利用を考え始めたときに複雑な気持ちになることがあります。
今の自分を認めたくないわけではありません。
困っていることも分かっています。
このままでは良くないことも分かっています。
それでも、利用することに抵抗があります。
その理由の一つに、「以前の自分」があります。
昔はできていた。
以前は働いていた。
あの頃は普通に生活していた。
そうした記憶があるからこそ、今の状況を受け入れることが難しくなることがあります。
利用すること自体が嫌なのではありません。
利用することで、「今の自分」を認めなければならないような気持ちになることがあります。
だから見学には来ます。
話も聞きます。
興味もあります。
ただ、最後の一歩が出ません。
制度の問題ではありません。
作業の問題でもありません。
工賃の問題でもないことがあります。
自分自身との折り合いがついていない状態です。
実際に利用を始めた方の中にも、最初は大きな葛藤を抱えていた方がいます。
「まさか自分が」
そう思っていた方もいます。
ただ、利用を続ける中で少しずつ考え方が変わることがあります。
利用することが負けではなく、生活を立て直すための方法の一つだと思えるようになることがあります。
もちろん、最初からそう思えるわけではありません。
時間がかかることもあります。
それでも、見学の段階で止まっている方を見ていると、能力の問題ではなく、この部分で迷っていることがあります。
私たちは利用するかどうかだけではなく、その迷いも含めて話を聞いています。
見学はいつでも受け付けています。気になる方はお気軽にお問い合わせください。
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