⑥ 働かない生活に慣れると、変わることが怖くなることがあります

長い間仕事をしていない方と話していると、「働きたい」という言葉を聞くことがあります。


このままではいけない。


いつかは働きたい。


できれば自分で収入を得たい。


そう思っているのに、なかなか動き出せないことがあります。


その理由は、仕事が怖いからだけではありません。


今の生活が変わること自体が、怖くなっていることがあります。


仕事をしていない生活が長くなると、それが日常になります。


起きる時間が決まっていない。出かける予定も少ない。人と会わない日もある。体調が悪ければ、その日は休むことができます。


決して今の生活に満足しているわけではありません。


むしろ、「このままでいいのだろうか」と不安を感じています。


それでも、働き始めれば生活は変わります。


決まった時間に起きなければならない。決まった場所へ行かなければならない。人と関わることも増えます。疲れていても、ある程度は頑張らなければならない日もあります。


今より良い生活になるかもしれない。


でも、今より苦しくなるかもしれない。


その先が分からないから、今の生活から動くことが怖くなります。


これは、怠けているという一言だけでは説明できません。


人は、良い方向への変化であっても負担を感じることがあります。


しかし一方で、何も変えなければ、生活もなかなか変わりません。


ここが難しいところです。


私たちは、「無理をしなくていいですよ」と言うだけが支援だとは考えていません。


本当に休む必要がある時には休む。


無理をしている時には止める。


でも、もう少しできそうなのに怖さだけで止まっているのであれば、背中を押すこともあります。


「まず来てみよう」


「今日はここまでやってみよう」


「失敗してもいいから、一回やってみよう」


そう伝えることもあります。


私たちの事業所は、「失敗の許されるB型」です。


いきなり一般就労を始めるのは怖くても、週に数日、短い時間から始めることはできます。


人と関わることに慣れる。決まった時間に家を出る。本物の仕事を経験する。疲れた時には相談する。そして失敗したら、またやり直す。


そうした経験を繰り返すことで、少しずつ生活は変わっていきます。


長く続いた生活を一日で変える必要はありません。


ただ、「いつか変わりたい」と思いながら何年も待っていても、その「いつか」が自然にやって来るとは限りません。


大きく変わる必要はないのです。


まずは一日。


まずは一時間。


まずは一つの作業。


今の生活から、ほんの少しだけ外へ出てみる。


その小さな変化も、私たちは大切なリハビリだと考えています。


見学はいつでも受け付けています。


「今の生活を変えたいけれど、動き出すのが怖い」「長く家にいるので、いきなり働く自信がない」という方も、お気軽にご相談ください。


大きく生活を変えるのではなく、今の状態からどんな一歩なら始められるのかを一緒に考えていきます。


関連記事
「働きたい」と言いながら、何年も動けないことがあります
仕事を探す前に、怖くなってしまうことがあります
「自分に合う仕事がない」と思い続けることがあります
一度失敗すると、次の一歩がとても重くなることがあります
「まだ準備ができていない」と思い続けることがあります
障害のある子の将来を考えるとき、一番大切なこと