⑦ 最初の一歩は、就職でなくてもいいと思っています

「働きたいけれど、まだ自信がありません」


そう感じている方にとって、就職という言葉はとても遠く感じることがあります。


毎朝決まった時間に起きる。職場まで通う。仕事を覚える。人間関係をつくる。失敗しても次の日にはまた出勤する。


それらを全部まとめて考えれば、「自分には無理かもしれない」と思うのも不思議ではありません。


だから私たちは、最初の一歩が就職でなくてもいいと考えています。


まずは決まった日に家を出る。


事業所まで来てみる。


人に挨拶をする。


一つの作業をやってみる。


分からないことを聞いてみる。


疲れたら、そのことを伝えてみる。


そして次の日も、また来てみる。


一つひとつを見ると、小さなことに思えるかもしれません。


しかし、長く家で過ごしてきた方や、以前の仕事でつまずいた経験のある方にとって、この一つひとつは決して小さなことではありません。


実際にやってみることで、初めて分かることがあります。


思っていたより朝は起きられた。


三時間なら集中できた。


人と話すのは苦手だけれど、決まった人となら話せた。


反対に、思っていた以上に疲れた。週五日はまだ難しかった。分からないことを聞けずに一人で困ってしまった。


それも大切な発見です。


できたことだけが成果ではありません。


自分は何が苦手なのか。どこで疲れるのか。どんな時に困るのか。それを知ることも、次へ進むためには必要です。


私たちの事業所では、古着を扱う仕事やものづくり、3Dプリンターを使った自助具の試作など、実際の仕事に取り組んでいます。


当然、失敗することもあります。


思ったようにできない。手順を間違える。集中が続かない。人に聞けない。休んでしまう。


でも、ここは「失敗の許されるB型」です。


失敗したら終わりではありません。


なぜうまくいかなかったのかを考える。必要なら誰かに相談する。やり方を変える。そして、もう一度やってみる。


私たちは、この繰り返しも大切なリハビリだと考えています。


就職は大きな一歩です。


だからこそ、その一歩だけを見ていると、怖くて動けなくなることがあります。


でも、その前にはたくさんの小さな一歩があります。


家を出ることも、人と話すことも、仕事を試すことも、失敗してもう一度やってみることも、その一つです。


「働きたい」と思いながら、何年も動けずにいる方がいます。


仕事を探すと怖くなる方もいます。


自分に合う仕事がないと思っている方もいます。


一度の失敗が、次の一歩を重くしている方もいます。


「まだ準備ができていない」と待ち続けている方もいます。


今の生活を変えること自体が怖くなっている方もいます。


今回の連載では、そんな「働きたいのに動けない」という気持ちについて考えてきました。


私たちは、無理に就職を勧めるつもりはありません。


しかし、すべての不安がなくなるまで、ただ待ち続けることが必ずしも答えだとも考えていません。


今の自分にできる一歩は何か。


それを実際に試してみる。


うまくいけば次へ進む。うまくいかなければ、やり方を変える。疲れたら休む。そして、また始める。


最初の一歩は、就職でなくてもいいのです。


ただ、その小さな一歩が、何年も止まっていた生活を動かし始めることがあります。


私たちは、その一歩を一緒に考え、失敗しながら何度でも試せる場所でありたいと思っています。


見学はいつでも受け付けています。


「働きたい気持ちはあるけれど、何から始めればいいか分からない」「いきなり就職する自信はない」という方も、お気軽にご相談ください。


今すぐ就職できるかどうかではなく、今の自分にできる最初の一歩から一緒に考えていきます。


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