今の街に「通いたいB型事業所がない」という問題

就労継続支援B型を探すとき、多くの場合は「自宅から通える範囲」で事業所を探すことになります。


送迎があるか。バスや電車で通えるか。家族が送り迎えできるか。


もちろん、毎日のことですから距離はとても大切です。


でも、事業所を運営していると、ときどき考えることがあります。


「近くにある」という理由だけで、自分に合う事業所を選べていない人もいるのではないか。

 

 


B型事業所は、どこも同じではありません


同じ就労継続支援B型でも、事業所によって仕事の内容はかなり違います。


軽作業が中心のところもあれば、パソコンを使うところもあります。施設外で仕事をするところもあります。


工賃も違います。


一般就労を目指すことを大切にしている事業所もあれば、まずは安定して通い続けることを大切にしている事業所もあります。


身体に障害がある人への対応も、事業所によって違うでしょう。


人間関係や事業所の雰囲気だって、実際に通う人にとっては大きな問題です。


それなのに、


「近くにここしかないから」


「紹介されたのがここだったから」


という理由で、何年も同じ事業所に通っている人もいると思います。


これは本人の問題というより、住んでいる場所によって選べる事業所が決まってしまうという問題なのかもしれません。

 

 


「自分に合う仕事」を探す前に、選択肢が決まってしまう


サチエル・ロビンソンでは、古着の検品や採寸、撮影、インターネットへの出品、梱包・発送、店舗での仕事、ホテル清掃など、いくつもの仕事を行っています。


なぜ仕事を増やしてきたのか。


全員に同じことをしてもらうためではありません。


人によって得意なことも、苦手なことも違うからです。


接客は苦手でも、商品の検品なら力を発揮できる人がいます。


パソコン操作は難しくても、梱包なら丁寧にできる人もいます。


逆に、身体を使う仕事は難しくても、パソコンならできる人もいます。


だから私たちは、「この人にできる作業は何だろう」と考えるだけではなく、仕事そのものを増やし、その仕事の中からその人が担える役割を探すことを大切にしています。


ところが、そもそも住んでいる地域に選べる事業所がほとんどなければ、その前の段階で選択肢がなくなってしまいます。

 

 


事業所を選ぶことと、住む場所を選ぶこと


普通は、


住む場所が先にあって、そこから通える事業所を探します。


当たり前の順番です。


でも、本当に自分に合った働き方や生活を考えるのであれば、この順番は絶対なのだろうか、と最近考えるようになりました。


たとえば進学するとき、行きたい学校が遠ければ引っ越すことがあります。


仕事でも、働きたい会社が別の地域にあれば転居することがあります。


高齢になって今の家での生活が難しくなれば、住み替えることもあります。


それなら福祉サービスを利用する人にも、


自分に合った場所で働き、暮らすために、住む地域そのものを選び直す


という考え方があってもいいのではないでしょうか。


もちろん、簡単な話ではありません。


家賃はいくらなのか。


障害年金や工賃などの収入で生活できるのか。


買い物や通院はどうするのか。


冬の生活はどうなのか。


一人暮らしができるのか。


必要な福祉サービスを利用できるのか。


家族から離れて暮らして大丈夫なのか。


仕事だけ決まれば生活できるわけではありません。


だからこそ、「どこで働くか」と「どこで暮らすか」を別々に考えないことが必要なのだと思います。

 

 


「遠いから無理」で終わらせない事業所へ


サチエル・ロビンソンは、北海道北斗市にある就労継続支援B型事業所です。

 

全国に向けて私たちの仕事や考え方を発信していく中で、もし遠方に住む方から、


「こういうB型なら通ってみたい」


と思っていただけることがあるなら、その気持ちを「遠いから無理ですね」で終わらせたくはありません。


その人がこの地域で暮らすとしたら何が必要なのか。


住まいはどうするのか。


生活費はいくら必要なのか。


通院や買い物はどうするのか。


そして、サチエルでどんな仕事ができるのか。


そんなところまで一緒に考えられる事業所に、これからしていきたいと思っています。


今住んでいる場所から通える事業所を選ぶ。


それだけではなく、


通いたい事業所がある場所で暮らす。


そんな選択肢があってもいいのかもしれません。


今の街に「通いたいB型がない」。


その一言を、仕方がないことで終わらせない方法を、私たちもこれから考えていきます。


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「通所が難しい方にも『働く選択肢』を ― 当事業所の在宅就労支援について ―」

 

「作業だけではなく、“これからの暮らし”も一緒に考えています ― 事業所で行っているライフプランニングの取り組み ―」


「なぜ当事業所では、B型事業所で“ライフプランニング”まで行っているのか」

 

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