見学や相談の中で、
「自分はB型を利用するほどではないと思う」
「もっと大変な人が利用するところでは?」
「自分が行ってもいいのでしょうか」
そんな話が出ることがあります。
逆に、
「まだB型は早いのではないか」
と家族や周囲が考えることもあります。
では、そもそもB型事業所に向いている人とは、どんな人なのでしょうか。
これは意外と難しい質問です。
「働ける・働けない」だけでは決められない
就労継続支援B型は、一般企業などで働くことが難しい障がいのある方に、就労や生産活動の機会を提供し、働くために必要な知識や能力の向上などを支援する福祉サービスです。厚生労働省もそのように位置づけています。
ただ、実際の利用者さんを、
「働ける人」
「働けない人」
という二つにきれいに分けることはできません。
週5日なら難しいけれど、週3日なら働ける人。
8時間は難しいけれど、短い時間なら集中できる人。
接客は苦手だけれど、パソコン作業は得意な人。
体力は十分ではないけれど、とても丁寧な仕事をする人。
今すぐ一般就労するのは不安だけれど、将来は挑戦したい人。
同じ「働く」でも、その状態は一人ひとり違います。
B型は「何もできない人が行く場所」ではありません
ここは、もっと知られてもいいと思っています。
私たちの事業所では、インターネット物販、古着販売、ホテル清掃などを仕事として行っています。
ネット物販なら、検品、撮影、商品登録、梱包、発送。
古着店なら、品出しや接客。
ホテル清掃なら、客室清掃やベッドメイク、備品補充。
実際にお客様がいる仕事です。
当然、それぞれに必要な力も違います。
だから、
「B型に向いている能力」という一つのものがあるわけではありません。
むしろ大切なのは、
「今の状態なら、どんな働き方ができるだろう」
と考えることだと思っています。
一般就労を目指している人が利用してもいい
「将来は普通に就職したいので、B型には行かない方がいいでしょうか」
これも、ときどきある誤解です。
B型を利用することと、一般就労を諦めることは同じではありません。
厚生労働省の資料でも、B型は就労や生産活動の機会を提供するとともに、一般就労に必要な知識・能力が高まった人については、一般就労等への移行に向けて支援するサービスとされています。
国の新しい障害福祉計画の基本指針でも、B型から一般就労への移行実績をさらに伸ばす目標が示されています。
つまり、
B型と一般就労は、必ずしも反対側にあるものではありません。
サチエル・ロビンソンでも、一般就労につながった方がいます。
逆に、一般就労だけがゴールでもない
一方で、ここも大事です。
全員が一般就労を目指さなければならないわけではありません。
体調を保ちながら働きたい。
生活のリズムを作りたい。
少しでも自分で収入を得たい。
人とのつながりを持ちたい。
自分にできる仕事を見つけたい。
その人によって、働く意味は違います。
「就職できたら成功、B型を続けたら失敗」
そんな単純な話ではないと思っています。
では、どんな人がB型に向いているのか
私たちは、
「こういう障がいならB型」
「これくらい働けなければB型」
という決め方はしていません。
むしろ、
今の働き方では少し難しいことがあるけれど、働くことそのものを諦めたくない人。
そんな人にとって、B型は一つの選択肢になると思います。
まだ何ができるのか分からなくてもいい。
毎日通える自信がなくてもいい。
最初から仕事がうまくできなくてもいい。
実際にやってみて、
できる仕事を探す。
働ける時間を探す。
自分に合った方法を探す。
そして、状態が変われば働き方も変えていく。
そのための場所でもあります。
「自分が行く場所なのか分からない」なら
実は、そう思っている人ほど、一度見てみてほしいと思っています。
ホームページを読んだだけでは、自分に合うかどうかはなかなか分かりません。
見学したからといって、利用を決める必要もありません。
「B型に向いている人なのか」
を先に決めてから来る必要もありません。
自分にはどんな働き方ができそうなのか。
それを一緒に考えるところから始めてもいいと思います。
働く場所を探すときに必要なのは、
自分を無理やりどこかの枠に当てはめることではなく、
今の自分に合う働き方を探すこと。
私たちは、その選択肢の一つでありたいと考えています。
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