「行きたくない」と言われても、仕事には穴を開けられない。B型支援の難しさ

「今日はどうしても行きたくない」


利用者さんから、そんな連絡が来ることがあります。


体調が悪い。気持ちが落ち着かない。不安が強い。


B型事業所ですから、そういう日は当然あります。


事業所内での仕事であれば、その日の状態を見ながら作業を変更したり、少し休んでから始めたりすることもできます。


ところが、施設外就労となると話が少し変わります。


私たちの事業所では、リサイクル品を分別する工場での施設外就労があります。


そこには当然、仕事を依頼してくれている相手がいます。


決められた日に、決められた人数で仕事に行く。


一人が突然行けなくなれば、「今日は一人少ないですが仕方ありません」と簡単に済ませられないこともあります。


誰かが代わりに行かなければならない。


しかし、代わりに行ける利用者さんが必ずいるわけでもありません。


これが、実際の現場で起きています。


「仕事なんだから行かなければならない」と伝えても


ある利用者さんは、この施設外就労へ行くことに強い抵抗を示すことがあります。


行く日が近づくと不安定になり、


「行きたくない」


と訴えます。


こちらも何度も話をします。


外で働くということは、相手がいること。


自分が行くことを前提に、仕事が組まれていること。


突然行かなければ、困る人がいること。


仕事をする以上、ある程度の責任が生まれること。


一つひとつ説明します。


ところが、それをどれだけ説明しても、うまく伝わらないことがあります。


こちらとしては、


「どうしたら分かってもらえるんだろう」


と考えます。


けれど、最近は少し違うことも考えるようになりました。


そもそも、この責任の持たせ方が、この人に合っているのだろうか。


できないのは「仕事」なのか


その利用者さんが、すべての仕事を嫌がるわけではありません。


できることもあります。


事業所の中なら取り組める仕事もあります。


そう考えると、問題は単純に、


「働く意欲がない」


ということではありません。


決められた時間に行く。


決められた場所で働く。


自分が休めば他の人に影響する。


嫌になったからといって、その場から離れることはできない。


施設外就労では、こうしたものまで含めて「仕事」になります。


そして、これは一般企業で働くときにも必要になるものです。


だから私たちも、できるだけ経験してほしいと思っています。


外で働くことを最初から諦めてほしくない。


できる可能性があるなら、挑戦してほしい。


これは今でも変わりません。


ただ、何度経験しても非常に大きな負担になる人に対して、


「仕事なんだから慣れなければならない」


と言い続けることだけが、本当に支援なのか。


そこは考えなければならないと思っています。


支援だから休んでいい。仕事だから休めない。


この二つだけで考えると、答えは出ません。


「B型なんだから、無理なら休めばいい」


それだけでは、施設外就労は成り立ちません。


取引先にとっては福祉の訓練ではなく、実際の仕事だからです。


一方で、


「仕事なんだから、何があっても行きなさい」


だけなら、B型事業所で支援する意味がなくなってしまいます。


この間に、私たちはいます。


本人の気持ちを尊重すること。


仕事の責任を伝えること。


取引先との約束を守ること。


そして、その人が働き続けられる方法を探すこと。


全部を同時に考えなければなりません。


実際には、そんなにきれいに答えが出るものではありません。


「行かせること」が目的になっていないか


施設外就労へ行く予定の日に本人が「行きたくない」と言えば、こちらはどうしても、


「どうすれば今日行ってもらえるか」


を考えます。


現場を回さなければならないからです。


でも、それを何度も繰り返していると、一度考えなければならない。


私たちは、この人を施設外就労へ行かせること自体を目的にしていないだろうか。


本来の目的は、その人が働けるようになることです。


もっと言えば、その人なりの方法で、働くことを続けられるようになることです。


施設外就労は、そのための一つの方法にすぎません。


仕事に人を合わせるのか、人に仕事を合わせるのか


もちろん、何でも本人に合わせればいいとは思っていません。


仕事である以上、約束も責任もあります。


嫌なことをすべて避けていれば、できる仕事はなかなか増えません。


少し頑張ってみる経験も必要です。


だから、どこまで挑戦してもらうのか。


どこからが無理をさせることになるのか。


この線引きは、とても難しい。


ただ、一つ思うことがあります。


仕事にその人を合わせることだけが、就労支援ではない。


外で決められた時間に働くことが難しいのであれば、事業所の中でできる仕事を考える。


人との関わりが大きな負担になるのであれば、一人で進められる工程を考える。


体調の波が大きいのであれば、その日の状態によって仕事量を調整できる仕事を考える。


それでも仕事として成立する方法をつくる。


それもB型事業所だからできることだと思っています。


今も、答えは出ていません


今回の話には、「こうしたら解決しました」という結末はありません。


今も考えています。


本人には、仕事には責任があることを伝えていきたい。


外で働く可能性も、簡単には諦めたくありません。


その一方で、何度説明しても難しいことを「分かるまで教える」だけでいいのかとも思います。


本人に責任を持ってもらうことと、本人が持てる責任の仕事をつくること。


おそらく、その両方が必要なのでしょう。


「どうすれば施設外就労へ行ってくれるのか」


だけではなく、


「この人が責任を持って続けられる仕事とは、どんな仕事なのか」


そこまで考えることが、私たちB型事業所の仕事なのだと思っています。


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