一般就労だけがゴールではない。B型事業所で「自分で稼ぐ力」を身につける

就労継続支援B型を利用している方にとって、「一般就労」は大きな目標の一つです。


私たちの事業所でも、それは変わりません。


一般企業で働くことができる可能性があるなら、最初から諦める必要はないと思っています。実際に、サチエル・ロビンソンから一般就労につながった方もいます。


一般就労は、今でも私たちが第一に考えている選択肢です。


ただ、日々いろいろな方と関わっていると、それだけを「働くことのゴール」にしてしまっていいのだろうか、とも思います。

 


仕事はできる。でも「雇われて働く」ことが難しい人がいる


一般企業で働くためには、仕事ができるだけでは足りません。


決められた時間に出勤する。一定の勤務時間を保つ。職場の人と関係をつくる。体調が悪い日にも勤務を続ける。通勤する。


こうしたことも含めて、会社で働くということです。


B型事業所には、仕事そのものができないわけではないのに、こうした条件が重なることで一般就労が難しくなっている方もいます。


ここを一緒にしてしまうと、


「一般就労が難しい人=働く力がない人」


になってしまいます。


私は、そうではないと思っています。

 


今は「会社に雇われる」以外にも、お金を稼ぐ方法がある


今はインターネットを使って、個人でも商品を販売できる時代です。


自宅で仕事をすることもできます。


毎日決まった場所へ通わなくても、自分の体調や生活に合わせながら仕事を進める方法もあります。


だからサチエル・ロビンソンでは、ネット物販を作業の中心の一つにしています。


古着などの商品を確認する。


状態を見る。


採寸する。


写真を撮る。


販売ページを作る。


価格を考える。


注文が入ったら商品を確認し、梱包して発送する。


そして、その先にはお客様がいて、実際にお金が動きます。


これは事業所の中だけで成立する特別な「訓練」ではありません。


世の中で実際に行われている商売です。

 


一部分だけ覚えて終わり、にはしたくない


もちろん、最初から全部できる必要はありません。


写真撮影が得意な人もいれば、商品の状態を見るのが得意な人もいます。パソコン入力が得意な人もいれば、丁寧な梱包が得意な人もいます。


まずは自分のできるところから始めればいい。


ただ、その仕事がどのようにつながって、最後にどうやって売上になるのかは知ってほしいと思っています。


なぜこの写真を撮るのか。


なぜサイズを正確に測る必要があるのか。


なぜ商品説明が必要なのか。


なぜ梱包を丁寧にするのか。


自分がやっている一つひとつの作業の先に、「商品が売れる」という結果があります。


そこまで分かってくると、単に与えられた作業をこなすのとは少し意味が変わってきます。

 


自分で1円を生み出す経験


私は、ここが大事だと思っています。


会社から給料をもらうことだけが、お金を稼ぐ方法ではありません。


自分で商品を見つける。
自分で売る準備をする。
自分で販売する。
そして誰かがお金を払って買ってくれる。


最初は小さな金額でも、自分の力で売上をつくる経験には意味があります。


一般就労では力を発揮しにくい人でも、働く時間や場所、仕事の進め方を変えることで力を発揮できる可能性があります。


その選択肢を、B型にいる間から知っておいてもいいと思うのです。

 


だからといって、一般就労を諦めるわけではありません


ここは誤解されたくありません。


私たちは、


「一般就労は難しいから、自分で稼ぎましょう」


と考えているわけではありません。


むしろ逆です。


一般就労できる可能性がある人については、その可能性を簡単に諦めたくない。


就職を希望する人には、一般就労を第一の選択肢として考えます。


そのうえで、一般就労だけを唯一の正解にもしない。


就職する。


B型で働き続ける。


自分で収入をつくる方法を身につける。


働き方は一つではありません。


大切なのは、「一般就労できるか、できないか」だけでその人の可能性を分けてしまわないことだと思っています。

 


B型にいる間に、選択肢を増やしたい


私たちがネット物販に力を入れているのは、古着を売る人を育てることだけが目的ではありません。


一般就労を目指す人にとっても、商品を扱い、お客様を意識し、売上につながる仕事を経験することには意味があります。


そして、一般就労とは違う働き方の方が合っている人にとっては、ネット物販の経験が、その後の働き方の一つにつながるかもしれません。


B型を利用している間に、一つの進路へ絞ってしまう必要はないと思っています。


就職を諦めない。


でも、


就職だけに、その人の可能性を閉じ込めない。


サチエル・ロビンソンでは、その両方を大切にしながら、仕事をつくっていきたいと考えています。

 

 


関連記事
サチエル・ロビンソン|実際の仕事について


・なぜB型事業所が古着屋を始めたのか。「仕事らしい仕事」をつくりたかった

 

・B型事業所の仕事は誰が決める?「できる作業」を用意するだけでいいのか

 


福祉特化FP|働いた先の暮らしとお金


・障害年金だけで暮らせるのか|一人暮らし・グループホーム・実家暮らしで考える生活費

 


福祉住環境研究所|働くことと、その人が暮らす環境


・家があっても住めない時代が始まります