見学の方やご家族から、よく質問されます。
「ここでは毎日どんなことをしているんですか?」
とても自然な質問です。
ですが、正直に言うと――
少し答えに迷う日があります。
なぜなら、
“作業が中心ではない日”があるからです。
ある日の出来事
その日は、作業を始めて30分ほどで手が止まった利用者さんがいました。
体調が悪いわけではありません。
怒っている様子でもありません。
ただ、動けなくなっていました。
無理に作業へ戻すこともできます。
声掛けを増やすこともできます。
でも私たちは、その日は違う選択をしました。
椅子を少し移動して、雑談を始めただけです。
話していたのは「仕事」と関係ないこと
話題は昨日のテレビの話。
昔住んでいた街の話。
若い頃の仕事の話。
気づけば30分以上経っていました。
外から見れば「何もしていない時間」です。
でも、そのあと自然にこう言われました。
「少しやってみようかな」
そして短い時間ですが、作業に戻ることができました。
成果にならない支援もある
福祉の世界では、
どうしても「できたこと」が評価されがちです。
作業量
通所日数
生産活動
もちろん大切です。
ですが現場では、
作業に戻れた理由が“安心できた時間”だった
ということが少なくありません。
数字には残らない支援です。
私たちが守りたいもの
私たちは、効率の良い場所ではないかもしれません。
でも、
無理に進ませない
止まる時間を否定しない
その日の状態を一緒に受け止める
そういう積み重ねが、
結果として「通い続けられる力」になると感じています。
最後に
「今日は何をしましたか?」
もしそう聞かれたら、
これからはこう答えるかもしれません。
「今日は、安心して過ごせる1日でした」
それも、私たちにとって大切な支援の一つです。
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