② 作業は、「できる・できない」を見る時間ではありません

「どんな作業をするのですか?」


見学でよくいただく質問です。


もちろん、作業の内容も大切です。


ただ、私たちが本当に見ているのは、完成した作品や作業の速さではありません。


例えば、同じ作業をお願いしても、人によって全く違う様子が見えてきます。


説明を最後まで聞いてから始める方。


途中で確認しながら進める方。


分からなくても質問せず、一人で悩み続ける方。


疲れていても「休みたい」と言えない方。


反対に、少し疲れるとすぐに集中が切れてしまう方。


どれも「良い」「悪い」の話ではありません。


その人が生活の中で、どんな場面で困りやすいのかを知る手がかりです。


作業療法士は、病院でも患者さんに作業をしていただくことがあります。


それは作品を作ることが目的ではなく、その人の身体や生活を理解するためです。


私たちも同じように、作業を通してその人を見ています。


だから、「今日は何個できました」という結果だけで終わることはありません。


今日は最後まで集中できた。


自分から質問ができた。


困ったときに相談できた。


昨日より少し疲れに気づけた。


そうした変化の方が、私たちにとっては大切です。


就職してから必要になるのは、作業の速さだけではありません。


分からないことを確認する力。


疲れたことを伝える力。


周囲と協力する力。


失敗しても気持ちを切り替える力。


そうした力は、一日で身につくものではありません。


毎日の作業の中で少しずつ育っていくものだと考えています。


だから私たちは、作業そのものよりも、その人が作業にどう向き合っているかを大切にしています。


作業は製品を作るためだけの時間ではありません。


その人らしく生活し、その人らしく働いていくための力を、一緒に育てていく時間でもあるのです。


見学はいつでも受け付けています。


「どんな作業をするのか」だけではなく、「どんな視点で支援しているのか」を知りたい方も、お気軽にご相談ください。


関連記事
リハビリは、病院だけで終わりません
働ける人が来る場所だと思っていました
利用するかどうかより、続くかどうかが気になります
もっとできるようになってから利用するものだと思っていました